2024年にニュージーランド短期語学研修に参加した地域みらい学科4年の橘香澄さんが、2025年11月25日から12月2日に実施された対日理解促進交流プログラム「JENESYS2025(フィリピン)」に参加しました。
■JENESYSってなに?
日本国政府(外務省)が推進する人的交流事業である対日理解促進交流プログラム「JENESYS2025」は、日本とアジア大洋州、北米、欧州、中南米の各国・地域との間で、対外発信力を有し、将来を担う人材を招へい、派遣、オンライン交流し、日本の政治、経済、社会、文化、歴史及び外交政策等に関する理解の促進を図るとともに、親日派・知日派を発掘し、また、日本の外交姿勢や魅力等について被招へい者・被派遣者自ら積極的に発信してもらうことで対外発信を強化し、日本の外交基盤を拡充することを目的としています。
書類選考や面接選考を経て参加者が選抜され、今回は日本の大学生・大学院生10名がフィリピンでのプログラムに参加しました。
■プログラムに参加したきっかけ
将来、青年海外協力隊としてフィリピンでボランティア活動に携わりたいという目標があるためです。 そのため、事前にフィリピンの交通課題や文化を自らの目で見て体験することが重要だと考えました。また、日本代表の青年として渡航し、同世代のユースリーダーと共に学び合える点にも魅力を感じ、応募を決意しました。
■プログラムの特徴
日本国大使館や国際協力機構など、個人では訪問することが難しい機関を視察できる点にあります。渡航前に派遣国への理解を深めるための事前研修が行われました。さらに、参加者が主体となり、現地で行うプレゼンテーションやアクティビティの準備も行いました。
現地では、在フィリピン日本国大使館への表敬訪問、学校交流、ホームビジットなどを経験しました。
大使館では、日本とフィリピンの関係や教育事情、大使 館の役割について理解を深めました。
学校交流では、日本の魅力を紹介するプレゼンテーションを行い、書道やちぎり絵を通して、日本文化を紹介しました。
ホームビジットでは、マーケットを訪れたり、伝統料理をいただくことで、現地の生活文化を体感することができました。また、貧困世帯が暮らすバランガイを訪問し、貧困の現状や地域開発の取り組みについて視察しました。
■プログラムで印象に残っていること
フィリピンの文化や食生活です。訪問先では温かく迎えていただき、フィリピンの人々が日本に対して友好的な感情を持っていることを実感しました。
一方で、貧困層と富裕層の格差の大きさも強く印象に残りました。 貧困世帯で暮らす人々にとっての「幸せ」とは何かを考えたとき、それは私たちが想定する、先進国のように生活環境が整った場所で暮らすことだけを意味するものではないと感じました。幸せの在り方は、その人がこれまでに歩んできた背景や価値観によって異なるものであることを、現地での経験を通して強く実感しました。
さらに、戦時中の歴史を伝えるサンチャゴ要塞を訪問した際、「フィリピン人は戦争のことで日本人を恨んでいますか」という問いに対し、ガイドの方が “Hate is a negative feeling, so it’s better to have positive feelings instead, which will bring us happiness.”(「憎しみは負の感情なので、代わりに前向きな気持ちを持つ方がよいでしょう。その方が、私たちは幸せになれます」)と語ったことが心に残っています。この言葉から、平和のためには、過去を正しく受け止めながらも、前向きな姿勢を持つことが大切だと学びました。
■参加前後で、日本への印象の変化は?
日本をもっと好きになりました。日本の文化や言葉を知ってくれているフィリピン人が多くて驚きました。ホームビジットで近所の子供たちと遊んだ時も、日本語で話してくれたり、日本のアニメの話をしたりしました。I am from japanだけでこんなにも親しみを持って接してくれるのだと嬉しくなりました。
一方でサンチャゴ要塞視察では、戦争中に日本が過去にフィリピンにしてしまった過去を直接感じることができました。要塞の中は光が入ってこないため暗く、そして気温も低かったです。人の形の模型で当時の虐殺の様子が再現されていました。目を背けたくなる光景でしたが、過去を正しく受け止めて風化させないためにもしっかり視察しました。フィリピン人はとても親切です。しかし、私たちが過去に犯してしまった過ちをなかったことにするのではなく、受け止めたうえで、次世代に受け継いでいくこと。そして、今後よりよい関係を維持していくために、前向きな姿勢を持つことが大切だと強く感じました。
■今回の経験を通じて得たもの、今後の目標は?
どの経験にも代えられない体験をすることができました。選抜で選ばれた日本代表のユースリーダーと共に、プレプログラムからプログラム終了まで切磋琢磨しながら、多くのことを感じ、学ぶことができました。聞いた情報をそのまま中に入れるのではなく、それに対して自分はどう思うのか、常に考える力を身につけました。移動中の車の中でも、感じたことや学んだこと共有し、見つけた課題について自分はどうアプローチしていきたいかなど、絶えず議論が絶えませんでした。このように学びが多く、自分を高めることができる環境に身を置けたことも参加して良かったことの1つです。
今後は、貧困や社会参画の分野について、海外でインターンやボランティアを行います。今回の研修で学んだ、地域による貧困格差や交通渋滞が引き起こす問題についてより深く学びます。学生のうちに、他の国との国際交流事業にも参加して、より多角的な視野を身につけます。
将来的にはJICA(青年海外協力隊)に参加して、国際開発分野で日本に貢献します。さらに、留学の情報格差をなくします。現状、青森県のような地方は、海外留学や国際交流の情報が都市部と比べて圧倒的に少ないなと感じました。このような素晴らしいいプログラムも一部の学生のみが独占しているのが現実です。自ら筆頭となり、体験記を載せる、報告会を開く、SNSで発信をしていくことでこの格差をなくしていきます。









