Ⅰ Inno(Ba)tors(イノベーターズ)とは
Inno(Ba)torsは、「地域の復興」をテーマに掲げ、学生が現場を訪問し、さまざまな関係者との交流活動を通じて、①地域の課題発見、②解決策の模索、③実行といったプロセスの中で地域のあり様を知り、組織において機動的な活動や革新的なリーダーシップのあり方を学び、自己成長につなげることを目的とする学生サークル団体です。
Inno(Ba)torsは、大学で学ぶ知識・理論を、具体的な地域課題の解決に向けた現場での実践を通じて学修する機会となっています。実践を通じて、学内サークル団体だけではなく、外部機関の関係者たちと協力・調整しながら協働を成立させるうえで欠かせない、意思決定やモティベーション、コミュニケーションおよびリーダーシップの能力の必要性を再確認し、その修得を目指す機会となっています。
サークルの前身は、丁 圏鎭教授(2022年度をもって定年退職)の尽力により、2019年度以来4年間継続された「浅虫のWA」企画にあります。当該企画は、青森公立大生が、海よし山よし温泉街として浅虫の魅力(Wonderful Asamushi)をより多くの人々に発信することで、浅虫地域の活性化を目指す丁ゼミの地域貢献活動としてはじまりました。丁教授の定年退職を機に、「浅虫のWA」企画の成果を継承・発展させることを目指し、企画・運営主体を学生の自主的なサークル活動(Inno(Ba)tors)として再編されました。当該企画は2024年度でもって6年間継続しており、「浅虫まちづくり協議会」(以下、「まち協」と表記)等の協力を得て開催されてきました。
〈前回活動内容〉
浅虫地域の活性化のために
2024年度のInno(Ba)torsの活動を、紹介します。私たちの活動は、①イベントの企画・運営と、②地域課題の調査、に大別されます。
まず、イベントの企画・運営を紹介します。
私たちが例年企画・運営しているイベントとして、まずは「浅虫のWA」企画があります。こちらは6年継続して企画・運営しています。また今年度は、新たな試みとして、地域活性化をテーマにした講演会も開催しました。
「浅虫のWA」企画は、①「文化祭 in 浅虫」および②「浅虫の和」からなります。以下、それぞれの概要と当日の様子です。
Ⅱ イベントの企画・運営
1)「文化祭 in 浅虫」
○日時:2024年10月20日(日)10:00~16:10
○場所:ゆーさ浅虫駐車場、ゆーさ浅虫4F会議室
○参加人数:約150名
浅虫の地域住民とパフォーマンスを通し、交流を深めることを目的として、2024年10月20日に行われました。来場者数が約150人の多くの方に来ていただくことができました。青森公立大学の音響サークルやダンスサークルと多くのサークルのパフォーマンス、何より、浅虫軽音部・琴の会による演奏が行われにぎわうことができました。加えて、キッチンカーによる出店がありました。当日は、晴天ではありましたが、風が強く、来場者からすると寒さを感じるような気温でした。また、出店が少ないといった、改善点も多く出てきたため、2025年度の開催には改善できるように努めていきたいと考えています。全体的にみると、来場してくださった地域住民・参加した学生の笑顔を見ることができ、パフォーマンスを通し交流が深められ、事故やトラブルなく終えることができたので良かったと実感しています。




2)「浅虫の和」
○日時:2024年10月27日(日)10:00~15:00
○場所:ゆーさ浅虫駐車場、ゆーさ浅虫4F全会議室(大・小)
○参加人数:約250名
温泉街として長い歴史を誇り地域住民に愛される浅虫の魅力を和の文化体験を通じて、楽しんでもらうことを目的として、2024年10月27日に開催されました。こちらのイベントは月末に行われるマルシェとの合同開催のため、来場者が約250人の「文化祭in浅虫」よりも多く来場していただくことができました。イベントでは、水引きをはじめとする7つの体験コーナー、ねぶた囃子サークルによる演奏が行われました。体験コーナーでは偏りがでてしまい、屋外のお客様を屋内へ招き入れる点での改善提案が挙げられました。全体的にみると、子どもをはじめとする、多くの来場者に楽しんでいただくことができたため良かったと実感しています。



3)講演会「地域の力をがっちゃんこ! 浅虫まちおこし最前線」
○日時:2024年11月12日(火)16:20~17:50
○場所:本学417教室
○講師:井上 丹 氏(浅虫まちおこし応援団がっちゃんこ代表、八戸学院大学准教授)
○参加人数:約10名
浅虫まちおこし応援団がっちゃんこ代表の井上さんをお招きして、浅虫のまちおこしに関する経験をもとに講演会を開催しました。地元に活気をもたらすためにUターンをした井上さんのまちおこしに対する熱い思いや、浅虫の歴史や現状について、限られた時間の中でしたが、楽しく熱心に話を聞き、勉強させていただくことができました。地域活性化に興味をもつ本学学生との、小規模ゆえのアットホームで活発なやり取りが行われました。


Ⅲ 地域課題の調査
私たちInno(Ba)torsは、浅虫まちづくり協議会(以下「まち協」と表記)に参加させていただいています。まちづくり協議会とは、地域住民、自治体、地元事業者、各種団体など多様な主体が協働して地域の課題解決や活性化に取り組むための組織・仕組みのことです。そのまち協の運営委員会が月に1度開催されるのですが、その場に、私たちも参加し、議論に加わる機会を得ています。
まち協が抱える課題として、①みんなの心身を育む、②住まいと暮らし、③観光のお手伝い、④多くの人が集まる仕掛け、という4つの観点(課題群)が設定されています。Inno(Ba)torsの学生有志で、地域課題への対応を念頭に「浅虫研究」を行いました。
1)「空き家問題」解決に向けた「空き家MAP」の作成
みんなで浅虫地域を複数回訪ね「まち歩き」をしながら、現場探検しました。その中で、「②住まいと暮らし」に関わる「空き家問題」を取り上げ、今後の解決策を探る前提として、「空き家問題」の現状確認に着手しました。
具体的には、浅虫町会の方々の協力を得て、聞き取り調査や「空き家」物件の現地調査をもとに「空き家MAP」を作成しました。
その調査結果を、「第5回浅虫サミット」(2025年3月20日)において、参加者数約30名の聴衆の前で行いました。参加者から次につながる有益なコメントやアドバイスをいただきました。


今年度開かれた各種イベントは、浅虫のがっちゃんこ・まちづくり協議会・地域住民といった多くの方々の多くの力を貸していただいて無事に終えることができました。私たちの活動にお忙しいところご協力していただき本当にありがとうございました。これからも浅虫の方々と楽しく交流していけるように尽力しますので、今後ともよろしくお願いいたします。
以上のように、私たちInno(Ba)torsは、これまでもその都度「浅虫のWA」企画・運営を振り返り、前年度よりもよりよい企画・運営となるように、そのフィードバックに努めてきました。その成果をマニュアル化し、毎年度改訂しながら、次年度の企画・運営に活かしています。また振り返りを通じて、新たな企画も構想しています。
2025年度も「浅虫のWA」企画(①「文化祭 in 浅虫」および②「浅虫の和」)をはじめさまざまな企画を、学内外の関係各所と協働しながら、進めていきたいと考えています。
地域活性化に興味のあるひと、イベントの企画運営に興味のあるひと、私たちと一緒に浅虫を主たるフィールドとして活動しませんか!?